当院におけるインプラント治療の特徴

サージカルガイドによる安全な手術
インプラント治療では、手術の正確性、安全性が非常に重要です。そこで当院では、歯科用CTによる3次元画像をもとに骨の幅や高さを正確に診断し、安全に埋入できるようコンピューターのソフト上でシミュレーションを行います。
このシミュレーションをもとにインプラントの埋入位置を誘導するサージカルガイドを製作します。サージカルガイドを利用することで治療計画通りの位置、深さ、角度にインプラントを埋入することが可能となります。
歯科用CTを使用した治療計画の立案
当院では、先進の歯科用CTスキャナーを活用しております。この装置はコンビームCTとも呼ばれ、特化したコンピュータ断層撮影技術により、歯や顎の構造を高精度の3D画像で捉えることが可能です。この技術により、患者様の被曝量は大幅に削減され、特に失われた歯の周囲の骨の状態を詳細に分析することができます。これにより、治療計画の立案において、非常に重要な情報を提供し、より精密な治療が行えるようになります。
マイクロスコープ
歯科用マイクロスコープを導入しております。この高度な技術は、4倍から20倍までの拡大視を可能にし、目に見えない細部までクリアに観察できるため、治療の精度が大幅に向上します。この先進技術により、従来の方法では達成し得なかった高い治療成果を実現しており、患者様はこれらの精密な診断と治療の恩恵を直接受けることができます。これにより、ご自身の歯をより長く、健康に保つことが可能になります。
天然歯に類似した見た目・自然な噛み合わせ
シミュレーションにより理想的な位置にインプラントを埋入することにより機能的かつ審美的に優れたインプラントを入れることができます。力が垂直に加わることでしっかり噛め、歯磨きも行いやすくなります。


徹底した衛生管理
手術前には使用する器具を滅菌し、手術を行う直前に準備を行います。当院では高い滅菌能力のあるクラスB滅菌器を導入しております。また、手袋やコップ、エプロンもディスポーザブル(使い捨て)の使用を徹底しています。
インプラントについて

インプラントとは
インプラント治療とは、歯が失われてしまった部分に人工の歯を埋入する治療のことです。人工の歯根を顎の骨の中に埋め込み、その上に人工の歯を固定します。
入れ歯やブリッジと異なり、隣の歯を削って負担をかけることもありませんし、自分の歯と同じような感覚で噛むことができるようになります。また、総入れ歯が不安定で動いてしまう方は、インプラントによって入れ歯を固定する方法も有効です。
インプラント治療のメリット・デメリット
メリット
- 自分の歯のような感覚で噛める
- 取り外しが必要ない
- 自然な見た目になる
- 健康な歯を削る必要がない
- 噛み合わせが安定する
- 自分の歯を保護する
デメリット
- 治療時間が長い
- 外科的な処置が必要
- 自由診療のため費用が高額になりやすい
インプラント治療の治療期間・通院回数
治療期間 | 3〜6ヶ月程度 ※骨の状態や治療計画によっては半年以上かかる場合があります |
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通院回数 | 5〜10回程度 |
インプラント治療が施術できる方
01,年齢制限について
インプラント治療は、顎骨の成長が完了した成人に推奨される治療方法です。顎骨が発育中の子供にインプラントを施すと、骨の成長に伴いインプラントが埋没するリスクが存在します。一般的に、女性は18歳、男性は20歳頃に顎骨の成長が終了するとされ、この時期以降が治療を開始するのに適切なタイミングです。インプラント治療は40代後半から60代の方に多く受けられていますが、全体的な健康状態が良好であれば、高齢者でも安全に治療を受けることが可能です。
全身疾患を持つ方の治療可能性
全身疾患をお持ちの方でも、個々の健康状態に応じてインプラント治療を受けることが可能です。ただし、重篤な心疾患を持つ方や症状が不安定な方、糖尿病患者などは、手術後の合併症のリスクが高まるため、治療を受ける際には特に注意が必要です。特に骨粗しょう症でビスホスフォネート製剤を使用している方は、顎骨壊死のリスクがあるため、治療を開始する前には必ず主治医との十分な相談が求められます。
03,金属アレルギーとインプラント
インプラント治療に使用されるチタンは一般的に生体適合性が高い材料ですが、まれに金属アレルギーの反応を示す場合があります。特に他の金属に対してアレルギーがある方は、チタンにも反応する可能性が考えられます。そのため、インプラント治療を検討されている方は、事前にパッチテストや血液検査を受けることをお勧めします。これにより、治療において安全性を高めることができます。
04. 喫煙とインプラント治療
インプラント治療を成功させるためには、骨や歯ぐきの治癒力が非常に重要です。しかし喫煙習慣がある方は、ニコチンや一酸化炭素の作用により血管が収縮し、血流が悪化することで組織に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。その結果、手術後の傷の治りが遅れたり、インプラントが骨にしっかりと結合する「オッセオインテグレーション」に支障が出たりする可能性が高まると報告されています。
さらに、喫煙はインプラント治療直後だけでなく、治療が完了した後の長期的な安定性にも悪影響を与えることが分かっています。インプラント周囲炎のリスクを高め、せっかく埋入したインプラントを早期に失う原因になることもあります。そのため、治療を検討される時点から禁煙に取り組み、治療期間中だけでなくメンテナンス期に入ってからも禁煙を継続することが望ましいとされています。
インプラントを長持ちさせるためには、喫煙習慣の改善も大切なポイントです。当院では、喫煙されている患者さまにも安心して治療を受けていただけるよう、治療前にしっかりとリスクについてご説明し、禁煙の取り組みも含めたサポートを行っております。
当院のインプラントメニュー
抜歯即時インプンラント
抜歯後のインプラント治療には、通常、抜歯部位が自然に回復する3~4ヶ月後に治療を開始する方法が一般的です。しかし、当院では抜歯直後に残された窩(穴)を活用してインプラントを設置する技術も提供しています。この即時インプラント技術では、抜歯窩とインプラントの間に隙間が生じる可能性があるため、同時に人工骨を用いた補填が必要です。この処置には高度な専門技術が求められます。
一般的にインプラント設置後、インプラントと骨がしっかりと結合するまでには約4~6ヶ月を要しますが、抜歯即時インプラントの場合、治療当日に仮歯を装着することが可能です。このアプローチにより、治療期間や通院回数を大幅に短縮することが期待でき、患者様の負担を軽減します。
骨造成術を伴うインプラント治療
GBR
GBR(Guided Bone Regeneration)は、インプラント治療に適した骨量を確保するための先進的な治療法です。この手法では、骨の厚みや幅が不足している部位に、骨補填剤や自家骨を用いて骨量を増加させます。治療部位は「メンブレン」と呼ばれる特殊な膜で覆われ、これが骨の再生を促進する役割を担います。メンブレンは不要な組織の侵入を防ぎつつ、骨芽細胞の増殖を助け、新しい骨の形成を促進します。この治療法により、インプラントの成功率を高め、より長期的な安定性を提供します。
ソケットリフト
サイナスリフトは、上顎の骨高がインプラント埋入に十分でない場合に適用される手術方法です。特に、上顎洞の底が低い場合や骨の厚みが8mm未満であるとき、または大量の骨補填が必要な状況に対応するために行われます。この手術では、上顎洞の底部に骨補填材を注入し、骨の再生を促進します。これにより、インプラントを支えるための十分な骨の高さが確保され、インプラントの安定性と長期的な成功が向上します。サイナスリフトは、必要な骨量を効果的に増加させる重要な治療選択肢として、多くの患者に利用されています。
インプラント治療の流れ
カウンセリングからメンテナンスまでの流れ
精密検査診断と治療計画
顎の骨の厚みや神経血管の位置をレントゲン(CT)で調べます。また口腔内写真を用いてお口の中の状態を確認し、治療計画をご提案させていただきます。
インプラント治療の方法やメリット・デメリットなどをお伝えします。疑問点等ありましたらお気軽にお尋ねください。

インプラント手術
人工歯根を顎の骨に埋め込む手術を行います。

人工歯根が骨とくっつくのを待つ
人工歯根は顎の骨と化学的に結合します。結合するまでの期間は約3ヶ月〜6ヶ月となります(骨の状態により期間は異なります)。
歯肉の状態によって、2次手術が必要になる場合があります。

歯の部分の装着
型取りを行い、人工歯を取り付けていきます。

メンテナンス
インプラント治療はメンテナンスが重要になります。お口の中の状態により異なりますが、3ヶ月に1度のメンテナンスを推奨しております。適切なメンテナンスを受けることでインプラントの良好な状態を長期間維持できます。
しかし、メンテナンスが不十分だとインプラント周囲炎(インプラントの歯周病)が生じ、インプラントが抜け落ちるリスクが高まることがわかっています。

インプラント治療後に気を付けること
インプラント治療を受けた後の適切なケアは、長期的な成功に不可欠です。以下の点に注意してください
適切な口腔衛生
インプラント周囲を清潔に保つために、丁寧なブラッシングとフロッシングが重要です。
定期的な歯科検診
定期的に歯科医院を訪れ、プロフェッショナルなクリーニングとチェックアップを受けてください。
硬い食べ物の避ける
インプラント治療直後は、硬いまたは粘着性のある食べ物を避けることで、インプラントにかかる負担を減らしましょう。
喫煙の禁止
喫煙はインプラントの成功率を低下させるため、治療後は禁煙が推奨されます。
アルコールの制限
アルコールは治癒過程を遅らせる可能性があるため、摂取を控えることが望ましいです。
適切な食生活
バランスの良い食事を心がけ、必要な栄養素を十分に摂取することで治癒を促進します。
過度なストレスの回避
ストレスは免疫系に影響を及ぼし、治癒を妨げる可能性があるため、リラックスする時間を確保しましょう。
運動の適切な管理
激しい運動は避け、体に負担をかけない程度の運動を心がけてください。
これらの注意点を守り、定期的に歯科医師との治療・メインテナンスを受けることで、健康な口腔環境を維持し、インプラントの長期的な成功を確実にします。