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親知らず

親知らずについて

親知らずについて

親知らずとは

親知らずは、大人の奥歯(大臼歯)の後ろに生える歯で専門的には第三大臼歯あるいは智歯と呼ばれます。

親知らずは一般的に10代後半から生えてきますが、先天的に生えない人や傾斜しており途中までしか生えない人も多いです。正常に生えれば問題ありませんが、生える方向が通常の大臼歯とは異なるため、埋伏(埋まった状態)や傾いた状態で生えてくることが多く、虫歯や歯周病などトラブルの原因になります。

また、親知らずが原因で歯並びが悪くなるなどの影響もあります。こういった場合は親知らずを抜いたほうがよいと考えられます。親知らずの状態によって抜く必要性が異なりますのでお気軽にご相談ください。

親知らずによる症状

  • 腫れ
  • 痛み
  • 頭痛肩こり

親知らずの抜歯について

親知らずの抜歯について

抜歯すべき最適な時期

腫れや痛みが強い場合は、炎症が強く麻酔が効きにくいことが多いです。その場合は周囲の洗浄消毒や痛み止めや抗生物質を処方して強い炎症を弱めてからの抜歯をおすすめいたします。

ご妊娠中は少なくとも安定期に入ってからの治療をおすすめしておりますが、痛み止めや抗生物質の服用に関して注意が必要になります。

緊急性がなければご出産後に抜歯を行うケースもあります。抜歯以外でも注意が必要になる場合がございますのでご妊娠中の方、ご妊娠の可能性がある方は必ずお伝えください。

親知らずの影響と
抜歯をおすすめするケース

  1. 痛みや腫れの原因となっている親知らずは、歯ブラシが行き届きにくく、汚れが残りやすい歯になります。汚れが残ることで虫歯や歯周病のリスクが高まります。
    また、親知らずとその手前の奥歯(第二大臼歯)との間に深い歯周ポケットができることが多く、歯肉に炎症が起きることも多いです(智歯周囲炎)。痛みや腫れ、口が開けづらいなどの症状が出ます。
  2. 手前の奥歯(第二大臼歯)への
    悪影響がある
    親知らずは、手前の歯を巻き添えにして虫歯や歯周病を進行させることがあります。症状がなくても他の歯に悪影響が出るリスクが高い場合には抜歯をおすすめいたします。
  3. 歯並びに影響がある横向きに生えた親知らずは、歯並びを乱す原因のひとつです。矯正治療をお考えの方は矯正治療前に親知らずの抜歯を行う必要性がある場合があります。
  4. 嚢胞や腫瘍の原因となっている親知らずが原因となる嚢胞(含歯性嚢胞)や腫瘍が認められることがあります。

必ずしも抜歯しなくて良いケース

  • 真っ直ぐ生えている
  • 痛みや腫れ等の症状はない
  • 虫歯、歯周病のリスクが少ない

上記の条件を満たしていれば抜歯を行う必要性はありません。

親知らずの生え方

  1. まっすぐ生えるケース

    親知らずがまっすぐ生えていて、上の歯と噛み合っているのでちゃんと磨ければ残せるケースです。

    まっすぐ生えるケース
  2. 水平埋伏のケース

    親知らずが横を向いて埋まっていて隣の歯が虫歯になったり、清掃性が悪いために炎症を起こして腫れてしまうリスクが高いため、抜歯をした方が良いケースです。

    親知らずと神経が近い場合は、安全のためにCT撮影をして位置関係を確認します。

    水平埋伏のケース

抜歯後の注意点

親知らずの抜歯には合併症がございます。当院では抜歯前に必ずご説明をいたします。
ご疑問点等ございましたら、お気軽にご質問ください。

  1. 痛みや腫れ抜歯後は治癒過程で炎症が起きます。炎症が起きることにより痛みや腫れが出ます。術後の痛みや腫れのため、痛み止めや抗生物質を処方いたします。
  2. 感覚麻痺下顎の親知らずは、顎の骨の中を通っている下顎管という管に近い場合があります。この管の中には、神経が入っており抜歯により損傷が生じてしまう場合があります。
    神経が損傷すると下唇に痺れるような感覚麻痺が生じることがあります。術前に下顎管との位置関係をCT検査にて把握し、患者さまに十分にご説明いたします。抜歯にご納得されてからの手術になりますのでご安心ください。
  3. 上顎洞(副鼻腔)との交通上顎の親知らずは上顎洞と交通している場合があります。口腔内と上顎洞が繋がることにより鼻に水が漏れたり、鼻血が出ることがあります。交通した時は自然に塞がるのを待ちます。まれにですが塞がり切らない場合は専門の医療機関にご紹介させていただく場合があります。
  4. 出血・内出血外科処置になりますので血が出やすい処置になります。手術当日、翌日は血行の良くなること(運動や飲酒)は避けていただきます。
    また、頬に内出血(あざ)ができることがあります。一時的なものになり必ず消えますが抜歯予定日近くに重要なご予定がある場合はスケジュールの調整をおすすめいたします。
  5. 感染器具の滅菌などの衛生管理や感染予防は徹底しておりますが、まれに抜歯部位が術後感染を起こし、痛みや腫れが生じる場合があります(ドライソケット)。再度抜歯部位の清掃を行います。症状が出た場合はご連絡ください。
  6. 歯の破折親知らずは根の構造が複雑で骨と噛み込んでおり、まれにですが抜歯中に根の一部が残ってしまう場合があります。残った位置によっては無理をしてとることはせずに一部を残すこともあります。
  7. 周囲の歯や組織の損傷周囲の歯の損傷や組織の損傷が起きる場合があります。また、詰め物や被せ物がとれてしまう、かけてしまう偶発症が生じることがあります。
  8. 処置の中止親知らずの状態によっては完全な抜歯ができず、抜歯の中止をさせていただくことがございます。必要に応じて口腔外科のある総合病院大学病院をご紹介させていただきますのでご理解ください。